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川辺町の取り組みを追いかけて − ③

※サクラ島大学は、かわなべで行われるGNJ2012というイベントでごみステーションを担当します。
Thank you, Kawanabe!

7月21日の土曜日午前中のかわなべの清掃センター。次々に来る自動車。住民の方たちが、車にごみを乗せ、20分別を実施されていました。月に1回の自治会の回収日にゴミを出すか、こうやって直接清掃センターに持ってくるかが、かわなべの人たちのゴミ出しのルールです。清掃センターの職員の方々も協力しながら、非常に手際よく分別されていきます。中にはお子さんと一緒に分別をされている光景も。かわなべの人たちは本当に自然に分別が生活に根付いているのだなと思いました。

今回は前回の続き、清掃センターを見学した日の午後のインタビューの様子です。今回は、20分別を実施された当時の環境係の担当であった亀甲俊博さんに、ゴミの20分別実施に至るまでの経緯のお話を伺いました。

当時町は、埋立焼却灰のダイオキシン類無害化の対応しながらも、ゴミの17分別の実施に踏み切りました。その理由は、町から出るゴミが植え続けその処理費が町の財政を圧迫してこと。さらには、ゴミの量を減らすことによって結果出てくる焼却灰を減らす必要性があったからでした。分別実施の結果、家庭ゴミは4割減、焼却灰は8割減るに至るわけですが、それまでには住民との間に多くの苦労があったと言います。

「住民自治と環境行政が同時にスタートしたんです」柔らかくもはっきりとしたお声で話しだされた亀甲さん。「まずは、行政が信頼されることから始めました」といいます。それまでのずさんなゴミ処理をまず町としてお詫びし、データを隠ぺいすることなく、ダイオキシン類の調査結果や今後の町の対応策などを、住民説明会や広報で開示をしていきました。
「信頼してもらわないと、住民だってこっちの話をまず聞いてくれない。お願いだってできない。」まさに、これがゴミ20分別への取り組みの第一歩だったのです。

その後、住民は行政の対応と取り組みを見ていくうちに、行政を信じ、対等の立場でゴミの問題に取り組むようになります。そこで、各自治体を通しての18種類の分別のお願いがされました。職員が二人組になって115ある自治会を少なくとも3回は説明に回ったそうです「僕は、早朝や夜関係なく500回は行ったかなぁ」と亀甲さんはおっしゃられていました。

説明会の前には、かなりの準備をされたそうです。説明会は、生活環境課だけでは人数が足らなかったために、他課の人たちも動員し、その方々にも知識をつけてもらったそうです。また、ダイオキシン問題の観点からゴミ問題は健康問題であると位置付け、保健師さんにも同行してもらったそうです。そして、説明会の3か月前から、職員自らがそのルールで分別をし、「できること」を証明し、その経験と納得させるだけの理論も持って、回ったそうです。
「だから、折れなかった。行政が行政として果たす責任があるように、住民が果たす責任もあると説明した。」亀甲さんは言います。そして「めんどくさい」という声に対しては「めんどくさいとできないことは違う」と説明し、「できないことなら、行政は対応する。それはすぐに言ってほしい、その代り本当にすぐに対応する。でもめんどくさいことは、できないこととは違うので、ぜひ実行するようにお願いしたい」と一貫した対応をされたそうです。こうやって住民にもゴミ問題に自らが責任を果たすという、積極的な態度が生まれたと言います。

また、各自治会には、ゴミステーションの場所を決めさせるなどの話し合いのきっかけを持たせ、住民自治を育てていったそうです。ゴミはその後、更なる減量化を目指して、20分別へと増えていきますが、それでも分別を各地域で完結させていくことが可能になったのは、まさに住民自らがゴミに取り組む姿勢ができていたからと亀甲さんはおしゃいます。

「ゴミを通して、行政を身近にしていったと思う。小さな町だから住民と接触できたし、だからこそ成功した。行政と住民がそれぞれの持ち分を考え、それぞれがやるべきことを考えた。」「行政の住民目線というのは、まちがっている。その時点で上から目線。私だって川辺の一町民、そのことを忘れずにやっていった」と熱く語る亀甲さん。いつまででも話を聞いていたいぐらいとても熱のあるお話で、取材班はお話の内容だけにとどまらず、亀甲さんのお人柄にもどんどん惹かれていきました。

東さんと亀甲さん、このお二人がいたからこその川辺、それが確実に今のかわなべに続いているように思えました。もしお二人がいらっしゃらなかったら、どのようなことになっていたのか……とも思ったりもします。
川辺のメインストリートには、煉瓦が敷き詰められています。これは無害化したかわなべの焼却灰で作られた煉瓦です。この道が象徴するように、川辺はこの先も20分別を住民自らが実施する街として、歩んでいくのだと思いました。

文:テツ

・川辺町の取り組みを追いかけて − ①
・川辺町の取り組みを追いかけて − ②
・川辺町の取り組みを追いかけて − ③

・川辺町の取り組みを追いかけて − ④

Thank you, Kawanabe!

夏の午後、窓から入道雲を見ると戻りたくなる。かわなべ森の学校はそんな場所です。ジャンボリーの舞台であるこの美しい森を一日お借りして、そのままきれいにお返ししたい。その日手にしたモノを大事に扱いごみを減らしていくことは、ささやかだけれど無限の優しさとなって広がっていくような気がします。森とともに生き、森を守ってきた川辺の人々へ、そして森そのものがもつ記憶へとその輪はゆるやかに伸びていきます。ジャンボリーの空気を楽しみながら、ふとした瞬間その輪のことを思い出してくれたら嬉しい、そう思いながら。

−GNJ2012で、わたしたちのできること。

森の学校のある川辺町では、まちの課題として環境問題に向き合い、20種類のゴミ分別とリサイクルを実施しています。そんな意識の高いまちに見習って….

・当日は、川辺町の取り組みにならって、わたしたちもごみ分別を実際にやってみましょう。
・ごみの回収は、会場内一カ所の「ごみステーション」でまかないます。
(※購入したお店では、ごみの回収はいたしません。)

・生ごみを出さないためにも、残さずおいしくいただきましょう。
・食べ物等の容器は軽く水で洗ってきれいにしてからごみに出しましょう
・お気に入りのマイコップやマイ箸、マイ皿を持ち寄って、気持ちよく食事をいただきませんか。

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